12/03/23【MESSAGE】峰倉かずや先生よりメッセージをいただきました!!

新装版『WILD ADAPTER』第6巻発売を記念して、峰倉かずや先生より読者の皆様へのメッセージをいただきました!!

「WILD ADAPTER 06」-初出・2006年〜2008年-

WILD ADAPTER第6巻表紙
後半からジェイソン化する久保田を完全に楽しんでしまった、第6巻です(笑)。

ブログにも一度書いた事があるのですが、治はとても思い入れのあるキャラクターです。
最初はまったくそんな風に考えていなかったのですが、書き進めるうちに「ああ……この人自分と似てるなぁ……。可哀想に」と気付いてしまいました。
──────いや、性格とか勿論見た目でもなくて、マイナス面での考え方が。
治はコンプレックスの塊です。4巻の志村なんかとはまた違う、プライドの高い努力型。
こうと決めたら、そこでのし上がる為の努力を厭わない。
でも自尊心が高いから融通がきかない。
そして、「本物の天性の才能を持った人間」に対するコンプレックスが半端ない。
自分の器の限界には気付いている、気付いているけれど認めたくない──────
そんな哀れな人間です。

この仕事(漫画の)をしていても、本当に「天性の才能を持っているなぁ…」という人に出逢います。
なんというかもう、最初から立ってる次元が全然違う。努力しても足掻いても、おそらく自分はああはなれない。それが直感で分かってしまう事への焦燥感と絶望感。
久保田を前にした治はまさにそんな思いだったと思うし、龍之介に対しても「自分が持たない物への憧れ」があって……つまりは「無い物ねだりな人間」だと。
それを「わかるなぁ、滑稽だなぁ…」と思いつつ描いていたら、ラストの方は完全に自分が治視点になってまい、治が死んだ瞬間を無意識に「暗転」にしていました。
普通なら主人公目線か第三者目線、あるいは単にスイッチングで処理するシーンなんですけどね。
あんまりキャラに思い入れるのも好ましくないよ、という一例でした(苦笑)。

とは言え、久保田の盲目的な依存も、時任の楽天的な負けず嫌いも、どこかしら自分を投影している部分があるとは思います。流石にまったく無いと描けないですし……。
因みに龍之介の「〜だべ?」「〜べや」は自分の口癖ですが、そんなん投影でもなんでもねーべな(笑)。

新装版はこの6巻でラストです。ここまでお付き合い頂き誠にありがとうございました。
次は完全新作の7巻で胸を張ってお会い出来るよう、精一杯頑張ります。