☆★祝!メゾン文庫1周年☆★
2018年6月の創刊から、おかげさまでメゾン文庫は1周年を迎えました!
みなさまの応援をいただき、 あやかし、お仕事、ごはん、ほっこり泣ける人情話、きゅんと来る恋愛ものなど計34冊を刊行させていただくことができました。

こうして並べてみると圧巻の光景ですね……!!
これからも読んで ワクワクする、ドキドキする、うるっとする、明日も頑張ろうと思えるような作品を刊行してまいりますので、今後とも応援よろしくお願いいたします!
メゾン文庫編集部一同

2018年6月の創刊から、おかげさまでメゾン文庫は1周年を迎えました!
みなさまの応援をいただき、 あやかし、お仕事、ごはん、ほっこり泣ける人情話、きゅんと来る恋愛ものなど計34冊を刊行させていただくことができました。

こうして並べてみると圧巻の光景ですね……!!
これからも読んで ワクワクする、ドキドキする、うるっとする、明日も頑張ろうと思えるような作品を刊行してまいりますので、今後とも応援よろしくお願いいたします!
メゾン文庫編集部一同
6月のメゾン文庫は、現世と幽世のあわいにある温泉宿を舞台にした『まほろば温泉繁盛記』と、感涙必至のやり直しストーリー『さようならまでの3分間』が登場です!
『まほろば温泉繁盛記』は、小説家になろうとコラボした第1回メゾン文庫キャラ文芸大賞銀賞受賞作。
受賞作は6月より3ヶ月連続刊行となります!
喜びも悲しみも包み込む不思議な温泉宿へようこそ
『まほろば温泉繁盛記』

(著:藍沢羽衣 イラスト:Tamaki)
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もし人生を3分間だけやり直せたら――?
『さようならまでの3分間』

(著:桜井美奈 イラスト:とろっち)
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今月もメゾン文庫をよろしくお願いいたします!
5月のメゾン文庫は、大人気オカルトミステリ待望の続刊『夜鳥夏彦の骨董喫茶2』と、社内のお悩み解消に奮闘!『これが苦情処理室のお仕事です。 潜入、変装、私がやるってことですか?』が登場です!
さわやかな装丁も一段とすてきな2冊をお楽しみください♪
人外×サイコメトラーが「曰く」に挑む怪奇エンタメ第2巻!
『夜鳥夏彦の骨董喫茶2』

(著:硝子町玻璃 イラスト:ヤマウチシズ)
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出世どころかクビ宣告!? 社内のお悩み、解消します!
『これが苦情処理室のお仕事です。 潜入、変装、私がやるってことですか?』

(著:雪之 イラスト:白谷ゆう)
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今月もメゾン文庫をよろしくお願いいたします!
こんにちは~。新年度も始まり、そろそろ新しい生活に慣れてきましたでしょうか?
メゾン文庫からは、桜舞い散るカバー&物語が描かれている季節も春という、今読むのにぴったりな小説が発売中です!!

著/烏丸紫明 絵/冨士原良
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
【あらすじ】
人生挫折中の作家と英国紳士の幽霊のオカルト・ミステリ!
天涯孤独で人生挫折中の作家、本庄昴の前に現れたのは、亡き祖父の遺言を預かってきたという弁護士。顔も知らない祖父の頼みで、相続権を委ねられた神戸異人館に赴くことに。誰もいないはずの館で美貌の英国紳士の幽霊に出迎えられた昴は、彼の願いを叶えるよう、協力を求められて……!? 自らをジェームズ・モリアーティと名乗る謎だらけの彼とともに、神戸北野にひそむ幽霊達と触れあううち、昴の心にもある変化が起こって? ご当地×オカルト・ミステリ!
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
【キャラクター紹介】
本庄昴(ほんじょうすばる)

天涯孤独で、人生挫折中の作家。亡き祖父の遺言で、館を相続する。
ルカ

ジェームズ・モリアーティと名乗る、館にすみついている英国紳士の幽霊。
なんと、今回は本作の書き下ろし短編を公開しちゃいます☆
まだお読みでない方にも楽しんでいただける内容になっています。
ぜひチェックしてくださいね♪
【書き下ろし短編】
「あたかも一万年も生きるかのように行動するな。生きているうちに、許されている間に、善き人たれ」
お気に入りの長椅子でゆったりとくつろぎながら、ルカがポツリと呟く。
思わず眉を寄せると、ルカは面白そうに目を細めて、持っていた本をパタンと閉じた。
「今から約二千年前――哲人皇帝と呼ばれた、ローマ帝国の第十六代皇帝、マルクス・アウレーリウス・アントニヌスの言葉だ」
「……知ってるよ。『自省録』だろ?」
「読んだことが?」
「あるけど……。なんだよ? 説教か?」
うんざりしながら言うと、しかしルカはあっさりと首を横に振った。
「いいや? そんな無粋なことをするつもりはないな。私はもう後悔する生き方はしないという――自戒だよ」
「は……? そもそも、ルカはもう生きてないじゃないか」
何を今更。
その言葉に、ルカがむぅっと眉を寄せる。
「細かいことは気にするな。とにかく、私はもう後悔する生き方はしないと決めているんだ。よって、ランチはサンデーローストだ。今日は日曜日だからな。そうだな……ポークがいい。付け合わせはマッシュポテトに蒸したキャベツ。ヨークシャープディングも久々に食べたいが、今日はもう少し歯ごたえのあるパンがいいな。ソースはグレイビーソースも捨てがたいが、ここはやはりアップルソースとイギリス・マスタードだ」
「は……?」
話の思わぬ方向転換に、思わずポカンとしてしまう。
「サンデーロースト……?」
「そうだ。英国の日曜といえば、サンデーローストだろう? さぁ、グズグズしている時間はないぞ。早速準備に取り掛かってくれたまえ」
「はぁ!? もしかして、僕が作るのか!?」
「ほかの誰が? この館には、私と君しかいないが」
あっけらかんというルカに――思わず壁の時計を見る。まだ午前十時だが――ローストポークとは作るのにどれぐらいの時間がかかるものなのだろう? 全くわからない。
「いや、待て……。そもそも、ルカは幽霊なんだから、食事をする必要なんてないだろ? なんだって毎食毎食しっかり食べようとするんだよ? それこそ、大いなる無駄じゃないか」
「酷いことを言うな。相手が幽霊だからといって差別するのは感心しないぞ。幽霊にも食事を楽しむ権利はあるはずだ」
「いや、だけど……」
もちろん、個人的に楽しむだけなら何も文句はない。ただ、ルカが楽しむために、自分をこき使うのが納得いかないだけだ。
昴は「冗談じゃない」と言って、首を横に振った。
「僕は、お前の世話をするためにこの館を受け継いだわけじゃないぞ」
「まぁ、そう言うな。従僕」
「誰が従僕だ! 主人は僕だって、何度言えば!」
この館の所有者は自分だ。ルカは、この館に棲みついた幽霊に過ぎない。それで何故、自分が従僕扱いされねばならないのか。
しかし、そんな抗議もどこ吹く風。しれっとした顔で、「日曜日にサンデーローストを食べられないことで、私に悔いが残ったらどうしてくれる」などと言い出す始末。
「拒否してもいいが――夜な夜な枕元で泣いてやるからな。よく考えてから拒絶したまえよ? 君の決断に異を唱える気はないが、素直に言うことをきいておいたほうが、間違いなく君のためにはいいと思うがな」
「…………」
はぁ~っと深いため息をつく。英国紳士のチンピラにこんな脅し方をされては、仕方がない。スマホを取り出し、『ローストポーク レシピ 簡単』で検索する。
こんな調子で、(幽霊として)悔いのない行き方をするためと称して我が儘を言われたら、こっちこそ夜泣きしたくなるのだけれど。
しかし、これ以上反論したところで、それこそ時間の無駄だろう。ルカに口で勝てるわけがないのだ。
『あたかも一万年も生きるかのように行動するな』
マルクス・アウレーリウス・アントニヌス皇帝の言に従い、この一分一秒を無駄にしないためにも、昴は立ち上がって足早にキッチンへと向かった。
◇ ◇ ◇
キッチンへと消える背中を見送り、ルカは手の中の『自省録』へと視線を落とした。
この本はその名のとおり、皇帝という重責を担う中で、常に自分を省み、己というものに向き合い続けた彼の魂の声が綴られたもの。
皇帝であり、哲学者でもあった彼の言葉は、心のデリケートな部分を真っ直ぐに刺してくる。正論が時に耳に痛いように、幽霊となった自分には身につまされる言葉が並ぶ。
「あたかも、一万年も生きるかのように行動するな……か……」
小さく呟いて、窓の外を見つめる。
ひらひらくるりと、澄んだ春の空を薄紅が舞う。
白いレースカーテンを揺らす春の爽やかな風に、心も華やぐ。
「――確かに、時間は有効に使わねば」
自戒も大事だけれど、それではまた多くの時間を無駄にしてしまう。
それでは駄目だ。
ルカは唇を綻ばせると、本をテーブルに置き、ゆったりと長椅子に身体を預けた。
「このひとときを、存分に楽しまねば」
昴とともに在る、今を――。
※参考文献 『自省録』(マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳、岩波書店 2007)
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