TOPIC

メゾン文庫5月刊発売中‼

5月のメゾン文庫は、大人気オカルトミステリ待望の続刊『夜鳥夏彦の骨董喫茶2』と、社内のお悩み解消に奮闘!『これが苦情処理室のお仕事です。 潜入、変装、私がやるってことですか?』が登場です!
さわやかな装丁も一段とすてきな2冊をお楽しみください♪

人外×サイコメトラーが「曰く」に挑む怪奇エンタメ第2巻!
『夜鳥夏彦の骨董喫茶2』

(著:硝子町玻璃 イラスト:ヤマウチシズ)

☆拡材はこちら☆
POP


あらすじ&試し読みはこちら

出世どころかクビ宣告!? 社内のお悩み、解消します!
『これが苦情処理室のお仕事です。 潜入、変装、私がやるってことですか?』

(著:雪之 イラスト:白谷ゆう)

☆拡材はこちら☆
POP


あらすじ&試し読みはこちら

今月もメゾン文庫をよろしくお願いいたします!

WEB限定☆『神戸異人館の(自称)ジェームズ・モリアーティ』書き下ろし短編公開!!

こんにちは~。新年度も始まり、そろそろ新しい生活に慣れてきましたでしょうか?

メゾン文庫からは、桜舞い散るカバー&物語が描かれている季節も春という、今読むのにぴったりな小説が発売中です!!


著/烏丸紫明 絵/冨士原良
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
【あらすじ】
人生挫折中の作家と英国紳士の幽霊のオカルト・ミステリ!

天涯孤独で人生挫折中の作家、本庄昴の前に現れたのは、亡き祖父の遺言を預かってきたという弁護士。顔も知らない祖父の頼みで、相続権を委ねられた神戸異人館に赴くことに。誰もいないはずの館で美貌の英国紳士の幽霊に出迎えられた昴は、彼の願いを叶えるよう、協力を求められて……!? 自らをジェームズ・モリアーティと名乗る謎だらけの彼とともに、神戸北野にひそむ幽霊達と触れあううち、昴の心にもある変化が起こって? ご当地×オカルト・ミステリ!
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

【キャラクター紹介】
本庄昴(ほんじょうすばる)

天涯孤独で、人生挫折中の作家。亡き祖父の遺言で、館を相続する。

ルカ

ジェームズ・モリアーティと名乗る、館にすみついている英国紳士の幽霊。

なんと、今回は本作の書き下ろし短編を公開しちゃいます☆
まだお読みでない方にも楽しんでいただける内容になっています。
ぜひチェックしてくださいね♪

【書き下ろし短編】

「あたかも一万年も生きるかのように行動するな。生きているうちに、許されている間に、善き人たれ」
 お気に入りの長椅子でゆったりとくつろぎながら、ルカがポツリと呟く。
 思わず眉を寄せると、ルカは面白そうに目を細めて、持っていた本をパタンと閉じた。
「今から約二千年前――哲人皇帝と呼ばれた、ローマ帝国の第十六代皇帝、マルクス・アウレーリウス・アントニヌスの言葉だ」
「……知ってるよ。『自省録』だろ?」
「読んだことが?」
「あるけど……。なんだよ? 説教か?」
 うんざりしながら言うと、しかしルカはあっさりと首を横に振った。
「いいや? そんな無粋なことをするつもりはないな。私はもう後悔する生き方はしないという――自戒だよ」
「は……? そもそも、ルカはもう生きてないじゃないか」
 何を今更。
 その言葉に、ルカがむぅっと眉を寄せる。
「細かいことは気にするな。とにかく、私はもう後悔する生き方はしないと決めているんだ。よって、ランチはサンデーローストだ。今日は日曜日だからな。そうだな……ポークがいい。付け合わせはマッシュポテトに蒸したキャベツ。ヨークシャープディングも久々に食べたいが、今日はもう少し歯ごたえのあるパンがいいな。ソースはグレイビーソースも捨てがたいが、ここはやはりアップルソースとイギリス・マスタードだ」
「は……?」
 話の思わぬ方向転換に、思わずポカンとしてしまう。
「サンデーロースト……?」
「そうだ。英国の日曜といえば、サンデーローストだろう? さぁ、グズグズしている時間はないぞ。早速準備に取り掛かってくれたまえ」
「はぁ!? もしかして、僕が作るのか!?」
「ほかの誰が? この館には、私と君しかいないが」
 あっけらかんというルカに――思わず壁の時計を見る。まだ午前十時だが――ローストポークとは作るのにどれぐらいの時間がかかるものなのだろう? 全くわからない。
「いや、待て……。そもそも、ルカは幽霊なんだから、食事をする必要なんてないだろ? なんだって毎食毎食しっかり食べようとするんだよ? それこそ、大いなる無駄じゃないか」
「酷いことを言うな。相手が幽霊だからといって差別するのは感心しないぞ。幽霊にも食事を楽しむ権利はあるはずだ」
「いや、だけど……」
 もちろん、個人的に楽しむだけなら何も文句はない。ただ、ルカが楽しむために、自分をこき使うのが納得いかないだけだ。
 昴は「冗談じゃない」と言って、首を横に振った。
「僕は、お前の世話をするためにこの館を受け継いだわけじゃないぞ」
「まぁ、そう言うな。従僕」
「誰が従僕だ! 主人は僕だって、何度言えば!」
 この館の所有者は自分だ。ルカは、この館に棲みついた幽霊に過ぎない。それで何故、自分が従僕扱いされねばならないのか。
 しかし、そんな抗議もどこ吹く風。しれっとした顔で、「日曜日にサンデーローストを食べられないことで、私に悔いが残ったらどうしてくれる」などと言い出す始末。
「拒否してもいいが――夜な夜な枕元で泣いてやるからな。よく考えてから拒絶したまえよ? 君の決断に異を唱える気はないが、素直に言うことをきいておいたほうが、間違いなく君のためにはいいと思うがな」
「…………」
 はぁ~っと深いため息をつく。英国紳士のチンピラにこんな脅し方をされては、仕方がない。スマホを取り出し、『ローストポーク レシピ 簡単』で検索する。
 こんな調子で、(幽霊として)悔いのない行き方をするためと称して我が儘を言われたら、こっちこそ夜泣きしたくなるのだけれど。
 しかし、これ以上反論したところで、それこそ時間の無駄だろう。ルカに口で勝てるわけがないのだ。
『あたかも一万年も生きるかのように行動するな』
 マルクス・アウレーリウス・アントニヌス皇帝の言に従い、この一分一秒を無駄にしないためにも、昴は立ち上がって足早にキッチンへと向かった。

          ◇ ◇ ◇

 キッチンへと消える背中を見送り、ルカは手の中の『自省録』へと視線を落とした。
 この本はその名のとおり、皇帝という重責を担う中で、常に自分を省み、己というものに向き合い続けた彼の魂の声が綴られたもの。
 皇帝であり、哲学者でもあった彼の言葉は、心のデリケートな部分を真っ直ぐに刺してくる。正論が時に耳に痛いように、幽霊となった自分には身につまされる言葉が並ぶ。
「あたかも、一万年も生きるかのように行動するな……か……」
 小さく呟いて、窓の外を見つめる。
 ひらひらくるりと、澄んだ春の空を薄紅が舞う。
 白いレースカーテンを揺らす春の爽やかな風に、心も華やぐ。
「――確かに、時間は有効に使わねば」
 自戒も大事だけれど、それではまた多くの時間を無駄にしてしまう。
 それでは駄目だ。
 ルカは唇を綻ばせると、本をテーブルに置き、ゆったりと長椅子に身体を預けた。
「このひとときを、存分に楽しまねば」
 昴とともに在る、今を――。

※参考文献 『自省録』(マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳、岩波書店 2007)

お楽しみいただけましたか?

異人館を相続し、幽霊の主(のはずなのに従僕扱い)になってしまった人生挫折中の作家・本庄昴と館に英国紳士の幽霊・ルカが織りなす、ミステリアスでどこかやさしい物語。その全貌は好評発売中の『神戸異人館の(自称)ジェームズ・モリアーティ』でチェックしてください!

HPでは試し読みも公開中です! こちらもどうぞ♪
試し読みはこちらから!

よろしくお願いいたします!!

メゾン文庫4月刊発売中‼

4月のメゾン文庫は“ご当地小説”祭りです!
新宿にたたずむ妖怪専用図書館と、神戸異人館が舞台のオカルト・ミステリ。読んで舞台を訪ねてみるのも楽しいかも!?
大型連休のおともにもぴったりな2冊をお楽しみください!!!

再就職先はまさかの妖怪専用図書館!?
『新宿もののけ図書館利用案内』

(著:峰守ひろかず イラスト:Laruha)

☆拡材はこちら☆
峰守ひろかず先生全面協力! 新宿妖怪MAP


あらすじ&試し読みはこちら

人生挫折中の作家と英国貴族の幽霊が織りなすオカルト・ミステリ!
『神戸異人館の(自称)ジェームズ・モリアーティ』

(著:烏丸紫明 イラスト:冨士原 良)

☆拡材はこちら☆
冨士原良先生の美麗イラスト使用! POP


あらすじ&試し読みはこちら

今月もメゾン文庫をよろしくお願いいたします!

メゾン文庫3月刊発売中‼

3月のメゾン文庫はネット小説から、そしてお見合いから始まる一風変わったラブストーリーをお届け♪
ページをめくるほどにドキドキ、ムズキュンが止まりません!

私たち、お試し夫婦になってみませんか?
『ばけもの和紙庵の花嫁さん』

(著:糸森 環 イラスト:ハルカゼ)

あらすじ&試し読みはこちら

メゾン文庫×エブリスタ小説大賞受賞作!!
『近くて遠い嘘つきなキミへ-電子恋愛-』

(著:月猫 イラスト:TCB)

あらすじ&試し読みはこちら

期間限定で書き下ろし小説が読めるキャンペーンも開催中です!
詳しくは書籍のオビの折り返しをご覧ください!

さらにさらに、装画を担当していただいたTCB先生による特別ダイジェストコミックも公開中!
こちらからお楽しみください♪

今月もメゾン文庫をよろしくお願いいたします!

『近くて遠い嘘つきなキミヘ-電子恋愛-』ダイジェストコミック公開!!

メゾン文庫×エブリスタ小説大賞受賞作!
胸キュン&感涙必至のラブストーリーが発売になります!!

『近くて遠い嘘つきなキミへ-電子恋愛-』
著/月猫 イラスト/TCB

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
【あらすじ】
ネット小説から始まる恋ってありですか?

仕事は生活費を稼ぐため、女子力0で彼氏もいない。そんな天宮優奏(25)には、同じ名前の知り合いが2人いる。それは、職場の上司で大嫌いな宇津保と、オリジナル小説サイトの管理人で大好きなうつぼさん。ある日、仕事中に理不尽なことで叱られた優奏を慰めるため、初めてうつぼさんが会ってくれることに。それを知った宇津保とは大喧嘩してしまうけれど、リアルうつぼさんは超イケメンで……!? 巧妙に仕掛けられた罠にはご注意を。一途なラブストーリー!
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

カバーイラストを担当してくださったTCB先生が描くダイジェストコミックを特・別・大・公・開!!

ぜひこちらからご覧ください!

ダイジェストコミック

2月メゾン文庫発売中‼

2月のメゾン文庫は個性豊かなあやかしたちが織りなす、香りとグルメのほっこりストーリー♪
まだまだ寒い時期が続きますが、心まで温まる物語をどうぞ!

新米大家さんが、調香師として癒しの香水お届けします!
『かなで香工房~幸せ調香いたします~』

(著:梨沙 イラスト:梨々子)

★拡材はこちら★
カバーイラスト使用POP


あらすじ&試し読みはこちら

メゾン文庫×エブリスタ小説大賞受賞作!!
『おとこまえ天狗のあやかし学食ごはん』

(著:遠坂カナレ イラスト:くにみつ)

★拡材はこちら★
カバーイラスト使用POP


あらすじ&試し読みはこちら

『おとこまえ天狗のあやかし学食ごはん』が、2月2日の文化放送「豊永・小松・三上の真夜中のラジオ文芸部」
で紹介されました!
youtubeで過去のアーカイブを配信中です。
詳しくはこちら
期間限定で書き下ろし小説が読める
キャンペーンも開催中です!
詳しくは書籍のオビの折り返しをご覧ください!

今月もメゾン文庫をよろしくお願いいたします!